皆さんは二重スリット実験をご存じでしょうか。
量子力学を語る上では外すことのできない超重要な実験です。
なんだ難しい物理学の話か、と思ったそこのあなた!
騙されたと思って読んでみてください。
本当に不思議な内容で今までの価値観が変わるかもしれません。
そもそも量子力学って何?って方はまずこちらを読んでみてください。
簡潔にまとめているので3分くらいで読めます。
さて、これから説明する実験は実際に行われたもので、結果も事実です。
ミクロの世界ってのは本当に面白い。
二重スリット実験とはどんな実験なのか
下図のように電子銃から1個ずつ電子をスクリーンに向けて発射し、電子銃とスクリーンの間に二重のスリットが空いた壁を用意した場合、スクリーンにはどのような模様が描かれるかというもの。
いったいスクリーンにはどのような模様が描かれるのでしょうか。
皆さんも考えてみてください。
マクロの世界で考えた場合の実験結果予想
まずは私たちの目に見えるマクロの世界ではどのようになるか考えてみましょう。
カラーボールのようなものを先ほどの図のようにスクリーンに向けて発射していくと、スクリーンにはどのような模様が描かれるでしょうか。
結果は以下のようになります。
スリットを通ったものだけがスクリーンに当たりますのでおおよそこのような模様になります。
これは皆さんも予想できる範囲かと思います。
では波をスクリーンに向けて放つとどのような模様が描かれるでしょうか。
結果は以下のようになります。
これは水面をイメージしていただくと分かり易いかもしれません。
上からみた図だと以下のように、スリットを抜けた波はお互いに干渉し合って、波長が強い部分と弱い部分が現れます。
この結果、先ほどのような干渉縞の模様が描かれることになります。
ここまでで、粒の場合と波の場合で模様にどのような差がでるか分かったと思います。
では話を戻します。電子(量子)を1個ずつ発射した場合はどのように描かれるのでしょう。
予想はつくかと思います。
量子の振る舞いは予想外の実験結果
さて、電子を1個ずつ発射するとそれは当然どちらかのスリットを抜けてスクリーンに当たります。
よって、前項で示した粒の挙動の通り、スリットの形に近い模様が描かれるはずです。
しかし、実際には違っていました。
このような干渉縞が現れたのです。
1個ずつ発射しているはずなのにスリットを2つ同時に抜けて干渉しあっている(波の振る舞い)かのような干渉縞ができるのです。
不思議ですが一旦この結果を受け止めて、発射するときは粒子、移動している間は波動、スクリーンに当たるとまた粒子のように見えると考えます。
これを量子力学では粒子と波動の二重性と言われています。
でも1個ずつ発射してるのになんで波になるの?って感じですよね。普通に考えたらどちらか片方のスリットを通ってるはずだと。
ではスリットを通る瞬間を観測してみるとどうなっているのでしょうか。
摩訶不思議な量子の事象
さあ、電子がスリットを抜ける時に波の振る舞いをしていることはわかりましたが、粒子として1個発射したはずの電子がどのようにスリットを通り抜けているのか観測してみることにしたのです。
先ほどの実験内容に観測機を加えて、同じように電子を1個ずつ発射してスリットを通る瞬間を観測してみました。
するとなんと、
電子はどちらか片方のスリットを通っていたのです。
おまけにスクリーンには・・・
このような模様が描かれました。
実験に観測機を加えただけでとたんに粒子の振る舞いに変わったのです。
非常に不可思議ですが、結果的にそうなっているので理解するしかありません。
これらから量子は、観測するまでは波動でどこにいるかわからない (確率で存在している) 状態であり、観測すると確率が収束して粒子として振る舞うと考えられています。
ミクロの世界って面白い
いやーなんかロマンがありますね。
マクロの世界に当てはめてみると、目を瞑ってる間は全てがどこにあるかわからない状態で実態がなくて、目を開けた瞬間に収束して全ての物の位置が判明するなんて…
たしかに目を瞑ってる状態だとそこにある実態を証明することが出来ないから、もしかするとあなたの目の前にいる人も目を瞑った瞬間に実態がなくなり波になっているかも笑
まあ人間には触覚があるので目を瞑っていても触ればわかりますね。
ってことで、これはあくまでもミクロの世界での実験結果なので、それをマクロの世界に当てはめて考えると眠れなくなる可能性があるのでお気をつけください笑
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